=はじめに=
このメールマガジンは、国土交通省において収集した事業用自動車に関する事故情報等のうち重大なものについて、皆様に情報提供することにより、その内容を他山の石として各運送事業者における事故防止の取り組みに活用していただくことを目的として配信しています。
=目次=
1.重大事故等情報=8件(8月23日~8月29日分)
(1)乗合バスの車内事故
(2)乗合バスと歩行者が衝突した事故
(3)貸切バスが横転した事故
(4)タクシーと自転車が衝突した事故
(5)タクシーとオートバイが衝突した事故
(6)タクシーが中央分離帯に衝突した事故
(7)タクシーと自転車が衝突した事故
(8)トラックが追突し危険物が漏えいした事故
2.事業用自動車の運転者の健康状態の確認等安全管理の徹底について
3.関越道高速ツアーバス事故を受けた「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン」について
4.高速乗合バス及び貸切バスの交替運転者の配置基準の策定について
5.運輸安全マネジメントに係る安全管理規程の届出等の義務付け対象が拡大されます!
6.トラックの保有車両数が5両未満の営業所でも運行管理者の選任が必要となります!
7.国土交通省で作成したマニュアルを集約しました!
8.平成25年度事故防止対策支援推進事業を実施します!
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【1.重大事故等情報=8件】(8月23日~8月29日分)
(1)乗合バスの車内事故
8月23日(金)午後0時40分頃、長野県において、同県に営業所を置く乗合バスが乗客5名を乗せて運行中、乗客1名(女性、58歳)が転倒した。
この事故により、当該乗客が大腿部及び頚部を骨折する重傷を負った。
事故当時、当該乗合バスの運転者は、発車前の目視確認及び車内アナウンスを実施しないまま、当該乗客が着席する前に発車したことから転倒した模様。
(2)乗合バスと歩行者が衝突した事故
8月26日(月)午前7時20分頃、岩手県において、同県に営業所を置く乗合バスが乗客20名を乗せて運行中、T字路交差点で右折する際に歩行者と衝突した。
この事故により、当該歩行者は死亡した。
なお、当該乗合バスの乗客に負傷者はいない。
事故当時、当該乗合バスは、当該T字路交差点を青信号で右折する際、当該乗合バスから見て左側から手押し車で横断歩道を横断していた当該歩行者と衝突した模様。
(3)貸切バスが横転した事故
8月26日(月)午後3時頃、北海道において、道内に営業所を置く貸切バスが乗客13名を乗せて運行中、中央分離帯に接触し横転した。
この事故により、当該貸切バスの乗客2名が重傷、当該貸切バスの乗客10名と運転者の計11名が軽傷を負った。
事故現場は、片側2車線の見通しの良い直線道路で、事故当時、当該貸切バスが何らかの理由により中央分離帯に接触し横転した模様。
(4)タクシーと自転車が衝突した事故
8月24日(土)午前0時20分頃、福岡県において、同県に営業所を置くタクシーが乗客1名を乗せて運行中、交差点で自転車と衝突した。
この事故により、当該自転車乗りが死亡した。
なお、当該タクシーの乗客及び運転者に負傷者はなし。
事故当時、当該タクシーが当該交差点を青信号で直進中、当該タクシーから見て右側から信号無視で飛び出してきた自転車を雨の中で発見が遅れ、ブレーキを掛けたが間に合わず衝突した模様。
(5)タクシーとオートバイが衝突した事故
8月27日(火)午前7時頃、東京都において、都内に営業所を置くタクシーが乗客3名を乗せて運行中、交差点でオートバイと衝突した。
この事故により、オートバイの運転者が死亡、当該タクシーの乗客1名が軽傷を負った。
事故当時、当該タクシーが当該交差点を右折矢印により右折中、赤信号を無視して直進してきた当該オートバイに衝突した模様。
なお、当該タクシー車両にはドライブレコーダーが装着されており、当時の状況が記録されている模様。
(6)タクシーが中央分離帯に衝突した事故
8月28日(水)午後9時5分頃、宮城県において、同県に営業所を置くタクシーが乗客1名を乗せて運行中、中央分離帯に衝突し、車両が大破した。
この事故により、当該乗客が右足骨折の重傷を負った。
事故当時、当該タクシーの運転者は、運行中にナビゲーションシステムを操作し、脇見運転をしていた模様。
(7)タクシーと自転車が衝突した事故
8月29日(木)午前1時頃、福岡県において、同県に営業所を置くタクシーが空車で走行中、自転車と衝突した。
この事故により、当該自転車乗りが死亡した。
事故当時、当該タクシー側の交差点の信号機は、青色から黄色に変わる直前であった模様で、当該タクシーが当該交差点を直進する際、当該タクシーから見て右側から進行してきた自転車と衝突した模様。
(8)トラックが追突し危険物が漏えいした事故
8月29日(木)午前2時頃、石川県において、和歌山県に営業所を置くトラック②
が走行中のトラック①に追突し本線上に停車、その5分後、新潟県に営業所を置くトラック③がトラック②に追突した。
この事故により、トラック②に積載していた化学薬品(オルトトリジン)が飛散し、トラック③に積載していた危険物(シンナー)が漏えいした模様。
トラック①とトラック②の運転者が足に軽い怪我をした模様。
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【2.事業用自動車の運転者の健康状態の確認等安全管理の徹底について】
平成25年7月5日
旅客自動車運送事業運輸規則(昭和31年運輸省令第44号)では、旅客自動車運送事業者は、乗務員の健康状態の把握に努め、疾病等の理由により安全な運転をすることができないおそれのある乗務員を事業用自動車に乗務させてはならないと規定するとともに、乗務しようとする運転者に対して、点呼を行い、疾病等の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無を確認しなければならないことが規定されています。
このような関係法令の遵守や自主的な取組みの励行については、これまでも通達等を発出し、対策の実施をお願いしてきたところですが、そのような状況にも関わらず、引き続き運転者の健康面での問題に起因する事故が依然として発生している状況にあります。
具体的には、平成25年7月1日、三重県亀山市の東名阪自動車道において、貸切バスが乗客31名を乗せて運行中、当該バスの運転者が突然意識を失い、蛇行走行しながらガードレール、側壁に衝突し、乗客3名がハンドル、ブレーキ操作等を行い停止させた事故が生じています。
また、平成25年7月4日、宮城県蔵王町の東北自動車道において、高速乗合バスが乗客8名を乗せて運行中、中央分離帯に衝突し、運転者が心肺停止状態で病院に搬送、交替運転者及び乗客1名が軽傷を負う事故が発生しており、運転者が何らかの原因により心肺停止状態となったことでバスが制御できなくなったと考えられています。
さらに、原因等について調査中ですが、同日、栃木県那須塩原市の東北自動車道において、高速ツアーバスが前方を走行していた車載トレーラに追突し、運転者1名が死亡、交替運転者1名及び乗客14名が負傷する事故が発生しています。
これらの事故の詳細は調査中ではあるものの、現在、「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン」を推進していることも踏まえ、特に下記の事項について改めて徹底を図るよう貴傘下会員に対して周知方よろしくお願い致します。
記
1.点呼の際、運転者の疾病等の状況、医薬品の服用状況等の健康状態の確認を徹底するとともに、異常が認められた場合には、運転者を交替させる等、適切な運行管理を図ること。
また、運転者が乗務中に体調に異変を感じた場合には、速やかに運行管理者へ連絡して指示を仰ぐべきことを徹底するとともにそのための連絡体制を確立しておくこと。
2.労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)に基づく健康診断を受診させ、また、当該健康診断等により運転者の健康状態に異常が確認された場合には、医師の診察を受けさせるなど運転者に対して適切な指導を行うこと。
3.平成22年7月に国土交通省が策定した「事業用自動車の運転者の健康管理に係るマニュアル」等を活用し、日頃から運転者の健康状態の把握に努めるとともに、運転者に対し、疾病が交通事故の要因となるおそれがあることについて、事例を説明すること等により理解させ、また、健康診断の結果に基づいて生活習慣の改善を図るなど適切な健康管理を行うことの重要性を理解させること。
4.平成19年6月に国土交通省が策定した「『睡眠時無呼吸症候群』に注意しましょう!」等を活用し、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の早期発見・治療の重要性について理解を深めるとともに、スクリーニング検査の受診及び適切な治療の促進を図ること。
5.その他、関係法令を遵守するなど、安全管理の徹底を図ること。
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【3.関越道高速ツアーバス事故を受けた「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン」について】
平成24年4月29日に発生した関越道高速ツアーバス事故を受けて、国土交通省自動車局では、以下の各検討会を設置し、学識経験者等のご意見を踏まえながら対策の検討を進めて参りました。
今般、各検討会の検討結果を踏まえ、今後2年間にわたり、「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン」を実施することとし、平成25年4月2日に公表しましたのでお知らせ致します。
(各検討会)
・「バス事業のあり方検討会」
・「貸切バス運賃・料金制度ワーキンググループ」
・「自動車運送事業者に対する監査のあり方に関する検討会」
・「高速ツアーバス等の過労運転防止のための検討会」
→http://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_002069.html
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【4.高速乗合バス及び貸切バスの交替運転者の配置基準の策定について】
平成25年3月26日(火)に開催された「高速ツアーバス等の過労運転防止のための検討会」の結果を踏まえ、交替運転者の配置基準に関し、「旅客自動車運送事業運輸規則の解釈及び運用について」の一部を改正しましたのでお知らせします。
→http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000134.html
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【5.運輸安全マネジメントに係る安全管理規程の届出等の義務付け対象が拡大されます!】
平成25年4月に策定された「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン」に基づき、従来200両以上のバス車両を有する事業者のみに義務付けられていた安全管理規程の届出等が、平成25年10月1日以降、全ての貸切バス事業者及び貸切委託運行の許可を受けた乗合バス事業者にも義務付けられます。
今般の制度改正により新たに義務付け対象となった事業者は、平成25年10月1日から平成26年1月6日までの間に、安全管理規程及び安全統括管理者選任の届出を、主たる事務所を管轄する運輸支局(輸送担当)に提出する必要があります。
安全管理規程の例や届出様式など、詳しくは国土交通省のホームページをご覧下さい
(各地方運輸局等のホームページにも掲載しています。)。
→http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000023.html
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【6.トラックの保有車両数が5両未満の営業所でも運行管理者の選任が必要となります。】
貨物自動車運送事業輸送安全規則の一部改正に伴い、平成25年5月1日より、保有車両数が5両未満の営業所でも、原則、運行管理者の選任が必要となります。
(ただし、経過措置として、この省令の公布の際、現に5両割れ事業者であった者については、平成26年4月30日までに運行管理者の選任を行う必要があります。)
○改正貨物自動車運送事業輸送安全規則(平成2年運輸省令第22号)(抄)
第18条(運行管理者の選任)
一般貨物自動車運送事業者等は、事業用自動車(被けん引自動車を除く。以下この項において同じ。)の運行を管理する営業所ごとに、当該営業所が運行を管理する事業用自動車の数を30で除して得た数(その数に1未満の端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)に1を加算して得た数以上の運行管理者を選任しなければならない。ただし、5両未満の事業用自動車の運行を管理する営業所であって、地方運輸局長が当該事業用自動車の種別、地理的条件その他の事情を勘案して当該事業用自動車の運行の安全の確保に支障を生じるおそれがないと認めるものについては、この限りではない。
公布:平成25年3月29日
施行:平成25年5月1日
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【7.国土交通省で作成したマニュアルを集約しました!】
これまで国土交通省で作成した、「乗合バスの車内事故防止マニュアル」や「トラック追突事故防止マニュアル」など、安全教育・事故防止のためのマニュアルを1つのページに集約しました。
今まで保存箇所がバラバラでしたので、ご存じないマニュアルもあるかと思います。
今回、1つのページに各マニュアルの概要とともに分かり易く掲載しましたので、今後、安全教育などに一層ご活用頂ければと思います!
→http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03manual/index.html
〔掲載マニュアル一覧〕
・H24年4月:自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う一般的な指導及
び監督の実施マニュアル
・H24年3月:トラック追突事故防止マニュアル
・H23年7月:乗合バスの車内事故を防止するための安全対策実施マニュアル
・H22年7月:事業用自動車の運転者の健康管理に係るマニュアル
・H21年10月:映像記録型ドライブレコーダー活用手順書
・H20年7月:トラック輸送の過労運転防止対策マニュアル
・H19年6月:SAS対応マニュアル「睡眠時無呼吸症候群に注意しましょう!」
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【8.平成25年度事故防止対策支援推進事業を実施します!】
国土交通省では、自動車運送事業者における交通事故防止のための取り組みを支援する観点から、平成25年度における事故防止対策支援推進事業を以下のとおり実施することとしましたのでお知らせします。
1.実施する補助事業
(1)運行管理の高度化に対する支援
以下に掲げる機器の取得にかかる経費に対し補助を行います。
○デジタル式運行記録計
○映像記録型ドライブレコーダー
(2)過労運転防止のための先進的な取り組みに対する支援
以下に掲げる機器の取得にかかる経費に対し補助を行います。
○ITを活用した遠隔地における点呼機器
○運行中における運転者の疲労状態を測定する機器
○休息期間における運転者の睡眠状態を測定する機器
○運行中の運行管理機器
(3)社内安全教育の実施に対する支援(※8月21日をもって受付を修了しました)
自動車運送事業者が事故防止のための社内教育を実施する際に外部専門家によるコンサルティングを利用する場合に対して補助を行います。
2.補助事業の内容
補助対象事業者、補助対象機器、申請方法等補助制度の内容につきましては、国土交通省のホームページの以下のページに掲載されております。
→http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/jikoboushi.html
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【メールマガジン「事業用自動車安全通信」】
発行国土交通省自動車局安全政策課
*このメルマガについてのご意見は、<jiko-antai@mlit.go.jp>までお寄せください。
よくある質問(配信登録の解除方法等)
(http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/anzenplan2009/faq.html)
【参考】
*自動車局ホームページ
(http://www.mlit.go.jp/jidosha/index.html)
*自動車の不具合情報はこちら
最近、自動車に乗っていたら異常発生、なんてことありませんでしたか。そんな時は、車検証を用意して、国土交通省「自動車不具合情報ホットライン」に連絡です。
皆様の声は、車種ごとに、ホームページ上で公開され、メーカーがきちんとリコールをしたり、メーカーのリコール隠しを防ぐために活用されます。
・ホームページ受付(www.mlit.go.jp/RJ/)
・フリーダイヤル受付0120-744-960
(平日9:30~12:0013:00~17:30)
・自動音声受付03-3580-4434(年中無休・24時間)
*自動車のリコール等の通知等があったときは!
使用されている自動車について、自動車ディーラーなどから、リコール又は改善対策の通知が送付されたり、その対象であることが新聞等で公表されたときは、安全・環境への影響から、その自動車の修理を行うことが必要になったということです。道路運送車両法により、自動車ユーザーは、自分の自動車が保安基準に適合するよう点検・整備する義務がありますので、忘れずに修理を受けましょう。
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