平成27年5月12日14:00より、京都自動車会館において京都府高速道路交通安全連絡協議会による春季交通安全講習会を開催しました。春の全国交通安全運動が、5月11日から同20日までの10日間実施している中、当協議会安全対策事業の一環の催しとして開催しました。
金井協議会会長より、高速道路は労働時間短縮、燃料消費削減などのメリットがある反面、ひとたび事故が起これば重大事につながる。
高速道路に於ける交通事故は、前年と比べると、残念ながら発生件数、死者数いずれも4年連続の増加となっており、中でも、高速道路上での「人対車」の事故が増えている。高速道路上での事故・故障で、本線車道や路側帯に降車した人が、後続車にはねられるといった痛ましい事故が後を絶ちません。その内容も追突など前方不注意を原因とする事故が多く、尊い生命が奪われている。等々高速道路利用における交通事故の実情を交えたあいさつをされました。
また、来賓の京都府高速道路交通警察隊岩本副隊長からは、京都府下の高速道路における交通事故の発生状況の報告として、昨年は死者数が69名、一昨年が70名と2年連続で最小数を更新することは大変珍しい。今年に入り既に31名の死者数となっており、昨年同日比でプラス8名の増加となっています。特色として、高齢者の割合が7割と高くなっている。一方、高速道路における事故については、死者数4人と前年プラス2名であるものの、人身事故件数・物件事故件数共に減少傾向にあります。
交通事故原因となる貨物の落下事故が年間300件超となっている。特に脚立や一灯缶といったものが目立っている。トラック業界におかれては、固縛の再点検をお願いしたい。等々、お話をいただきました。
春季交通安全講習会では、株式会社SSD研究所の寺田喜嗣氏より、「日々の安全運転の指導~事故後の面談について~」と題して、交通事故防止の具体的施策についてご講演をいただきました。
【講演要旨】
□近年、車を使用する企業の責任は大きくなっている。
・法令遵守
・環境への配慮
・他の道路利用者や運転者の安全確保
・安全風土、安全環境の形成
□事故防止のための三要素
・社内・・・・・社員への教育
・外部機関・・・社外教育
・自己啓発・・・ドライバー個人の自己啓発
事故を削減するには事故が起きる前(予防対策)と事故後(再発防止対策)の両面から取り組む必要があります。再発防止対策では第一優先の事案となり、早急に対応する必要があります。
社内における安全対策(予防対策)
・KYT(危険予測トレーニング)・・・・・知識を増やす。感受性を高める。
・添乗指導・・・・・同行時の運転指導。基本動作の習得。
・運転免許証の確認・・・・・車両規定の遵守。
・危険情報の提供・・・・・事故事例や危険箇所の共有化。
・事故の検討・・・・・事故原因の共有化。
社内における安全対策(再発防止対策)
・ドライバーとの面談・・・・・事故の原因追求と改善策の立案。
・添乗指導・・・・・事故に結びついたウィークポイントの修正。改善度合いのチェック。
・事故再発防止研修の受講・・・・・社外の専門機関の利用による問題点の掘り下げ。
・研修のフィードバック・・・・・メンバーヘの発表。日標の樹立の公言。
・社内安全活動担当・・・・・安全への関わり合いによるモデル化。
・ペナルティー・・・・・一定期間の車両使用制限の設定
面談(目的)
①原因を特定し、今後の目標を立ててもらう
②自分の行動を振り返ってもらう
③事故を通じて、事故の原因を一緒に考え、探して行く
④運転行動に関して、特異な行動や行為がないかどうかを探る
⑤本人の意識を変える
面談(注意点)
①面談は事故後、早い時期に実施する。
②ドライバーの態度変容を求めることが中心であり、知識や責任を教えるものではない。
③事故に至る面談のための資料(面談シートなど)を使用する。
④感情的にならず、事故原因(事実)を共に探し出す。
⑤違反の多い人には、厳しく接することも効果的である。
⑥若年層には、運転経験や運転に対する考え方などを踏まえて進める。
面談(手順)
①本人から状況や原因を説明させる。
②面談者と共に原因を掘り下げていく。
③具体的な行動目標を立てる。出来れば数値目標を設定する。
④良い聞き役に徹し、運転者が自ら気づき、考えるように方向付けします。最終的には結論を運転者の口から言わせるように導くことが重要です。
⑤指摘されたことをやっていこうと動機付けを図る。
⑥定期的に行動目標の実行について確認します。
以上、一部にロールプレイング手法を交え分かり易く説明をいただきました。
京都府高速道路交通安全連絡協議会 会員殿
京都府高速道路交通安全連絡協議会
会長 金井清治
春季「交通安全講習会」の開催について(ご案内)
早春の候、益々ご隆昌のこととお喜び申し上げます。
平素は、協議会運営に深いご理解とご協力を賜り厚くお礼を申し上げます。
さて、交通事故防止策につきましては研修会の実施、また安全運転に係る資料等を作成配布するなど事故防止活動を推進いたしておりますが、悲惨な交通事故はあとを絶ちません。
つきましては、「春の全国交通安全運動」の一環として高速道路等における交通安全の再認識と運転技術の向上、更には安全意識の高揚を図り、交通事故の絶無を期するため、下記により講習会を実施することといたしました。
諸事ご繁多の折りとは存じますが、運行・整備管理者・ドライバー等多数ご参加願えますようご案内いたします。
記
◎日時:平成27年5月12日(火)午後2時
◎場所:京都自動車会館5階 京都市伏見区竹田向代町51-5
◎講習内容:「日々の安全運転の指導~事故後の面談について~」
講師:寺田喜嗣殿 (株)SSD研究所 マネージャー