京都府内の労働災害は、平成29年10月末の速報値において死亡者数が18人となり、前年
同期の6人の3倍、休業4日以上の死傷者数(以下「死傷者数」という。)も1,745人となり、
前年同期と比較して97人(5.9%)増加しています。
京都労働局では、平成29年1月以降、死傷者数の増加傾向が続き、本年8月末の速報値に
おいて死亡者数が13人となり、前年同期の6人と比較して2倍を超え、死傷者数も1,355人と
なり、前年同期と比較して105人(8.4%)増加したことから、平成29年9月13日、京都安全
衛生関係団体等連絡協議会において「死亡労働災害多発警報」を発令しました。
また、死亡労働災害が多発している建設業に対して、公共工事発注機関と連携した労働災
害防止にかかる周知啓発を行ったほか、9月26日「大規模製造業労働災害防止対策会議」の
実施、10月13日「荷役5大災害防止安全パトロール」を実施し、注意喚起を図ってきたとこ
ろです。
しかしながら、死亡災害の発生には歯止めがかからず、特に建設業(9名、前年同期+7名)、
運輸業(4名、前年同期+4名)、製造業(3名、前年同期+3名)の増加が著しいところです。
また、死亡者の経験期間は、その43.8%が3年未満の労働者であることから、雇入れ時教育
等を徹底するなど、効果的な安全衛生教育の実施が必要です。
事業者の皆様におかれましては、年末・年始の大掃除や機械設備の保守点検・始動等の非
定常作業が多くなる時期に、「年末年始無災害運動」を取組んでいただき、企業の安全衛生
活動を今一度総点検し、関係者が一体となって、下記の対策を実施することにより、労働災
害防止に努めていただきますよう要請します。
記
1. 経営トップの参加の下に職場の安全衛生パトロールを実施するなど、職場内における
安全衛生活動の総点検を実施する。
2. 雇入れ後3年未満の労働者による労働災害の発生割合が高いことから、雇入れ時教育、
新規入場者教育(建設業)を徹底するなど、効果的な安全衛生教育を実施する。
3. 建設業の死亡災害に歯止めをかけるため、「墜落・転落災害の防止」、「建設機械・
クレーン等災害の防止」及び「倒壊・崩壊災害の防止」の三大災害防止対策の実施の徹底
を図る。
4. 陸上貨物運送事業の災害の多くが荷役作業中に発生していることから、陸上貨物運送事
業者及び荷役作業場所を提供する荷主等は「荷役5大災害防止対策チェックリスト」を活用
して荷役災害における労働災害防止対策の実施を図る。
5. 転倒災害が大幅に増加していることから、転倒災害防止のためのチェックリスト等を活
用するなどして、転倒災害防止対策の実施を図る。
平成29年12月1日
京都労働局
局長 高井 吉昭